サーフィンを始めて海へ通い出すとまず不思議に思うことがあります。
いわゆる「ローカル問題」です。
ローカルの人に怒られたとか、みんなの海なのにどうしてローカルは大きい顔しているの?思ってしまいますよね。
僕は3年前に九州に戻ってくる前は神奈川県に約30年間住んでいて、その間は主に湘南・千葉へサーフィンしていました。現在は長崎や佐賀でサーフィンしているのですが、地域によっても「ローカル問題」は違ってくると思います。
なるべくローカルの人と上手くやっていく方法を説明していきます。
「ローカル」とは?
簡単にいうとそのサーフポイントの近くに住んでいる人達となります。但し、近所に住んでいなくても、長年通い続けて地元の人からローカルとし認められていたり、移住してきて近所に住んでいても、ローカルの人から認められていない人もいます。
ここでは、そのサーフポイントでのコミュニティの一員と認められた人という事とします。
ローカルは長年そのサーフポイント周辺の一般住民(サーフィンをしない人)とコミュニケーションを取り、そのエリアで円滑にサーフィンを行えるよう尽力しています。
例えば、定期的にビーチクリーンを行って海周辺をきれいに保ったり、違法駐車等で地元の一般住民からクレームがあると、間に入り調整を行ったり、行政に働きかけてトイレの設置を陳情したり等です。
また、年に数度あるかどうかという絶好のコンディションが整うのを楽しみにしています。
サーフポイントに入る際の注意点

- ・そのサーフポイントの一番奥(海側)のピーク(波が崩れだす場所)には直ぐに近づかない
- ・大勢で一斉にサーフポイントに入らない
- ・ガツガツ乗らない
- ・駐車場は一番遠い場所に止める
ピークには行かない。
まず、そのポイントの一番いい波が立つ場所にはローカルがいるので、そこへは行かずにピークをづらしたり、より岸側に入ると良いでしょう。
そこで波に乗る時もまず沖から誰も乗っていないのを確認し、仮に乗っていた場合は直ぐにパドルするのを辞めましょう。
人によっては自分が乗っている波に、パドルして乗ろうとする行為自体にイラつく人もいいたりします。
これが一番理不尽な感じを受ける所だと思います。
例えば、スキー場に行けばレベルさえ見合っていれば誰でも上級者コースで滑ることが出来ます。でもサーフポイントでは、たとえ上手であってもローカルでなければ上級者コース(ピークの一番奥)で滑ることが出来ません。
スキー場の場合、お金を払ってスキー場を利用するので誰でも平等ですが、サーフポイント場合はいつもサーフポイントを気持ちよく利用できる様に尽力しているローカルをリスペクトしてサーフポイントを利用させてもらうといった所だと思います。
特に台風等でコンディションがとても良い日などは、ローカルはそれこそそのような波に乗るのを楽しみにして通っていたりします。やはり、そのようなコンディションではローカルが優先されるのは当然ではないかと思います。
大勢でサーフポイントに入らない
これは、ローカルでなくても気持ちいいものではありません。
僕は関東にいる時に一時期一人で海へ行くことも多かったのですが、そんな時でも大勢で(車2台以上、6人位)海へ入ってくるのを見るとイラッとしました。
何故なら、大勢で入ってくると当然海でもまとまって波待ちするようになり、一気にピークの人口密度が増えるからです。たとえ、大人数で入る時も人がいないピークに入る等の気を使ったほうが良いと思います。
ガツガツ乗らない
これば一度僕も九州のローカルから指摘受けてしまったことがあります。
僕の方がピークだったのですが、女性ローカルが乗った波に奥にいる僕がテイクオフしようとした所他のローカルに注意されてしまいました。
僕としては「どけどけ」といった気持ちはなかったのですが、たしかに奥にいるとはいえあまりガツガツ乗るように思われたのはいけなかったと反省しています。
特に女性や初心者がいる場合は、ガツガツ乗っているとポイント自体にガツガツした雰囲気が漂ってしまうので、波を譲って乗せて上がる位の心のゆとりが欲しいところです。
駐車場は一番遠い場所に止める
特にローカルが多いポイントでの注意点です。そのポイントに近かったり、シャワーが近い場所(利便性が良い場所)には車を止めない方が良いです。たいていそこはローカルの重鎮の特等席になっていたりするので、ビジターは不便でも駐車場の一番ポイントから遠い場所に止めていたほうが安全です。
ローカルオンリー(ローカルのみサーフィン可能)という理不尽なサーフポイントも存在します。九州のとあるポイントでは地元ローカル以外はサーフィンNGで、波チェックしているだけで囲まれて出て行けと言われる場所もあるそうです。
そういう人達はいるポイントへは近づかない事です。
おすすめ動画
ローカル問題に関して、説明してくれているおすすめのYoutube動画あります。
千葉北 九十九里町でサーフショップを経営されているプロサーファーの市東重明さんの動画です。あまり、ローカル問題に関して突っ込んで話されている動画はないとおもいますが、この動画に関してはかなり詳しく説明されています。
僕は100%彼の意見に賛成です。
また、市東さんが著者として発売されているハウツー本もおすすめです。

地域によるローカリズムの違い
大都市圏と地方ではローカリズムに関する考え方が違うように感じます。
湘南・千葉でのローカリズム
湘南のメインポイントのピークにはローカルの人が当然いるのですが、ピークを少し離れるとローカル色は強くありません。
僕の個人的な印象は鎌倉エリアではややローカル色が強い印象があります。
鵠沼、辻堂エリアは駐車場も完備されていて、ビジターサーファーも多いので利用はしやすい印象です。鵠沼エリアや激混みなので僕はもっぱら辻堂エリアでサーフィンしていました。
千葉北エリアは人も多いですが、湘南程ではなく、サーフポイントも豊富なのでメジャーポイントでも端の方はかなり緩い印象です。
どちらのエリアもビジターサーファーの数が尋常でないため、メインのポイント以外はそれほど気にしなくても良いと思います。
でも、僕が千葉のメジャーポイント脇で、あるショップオリジナルロゴが入ったサーフボードを持って入ろうとしたのですが、ローカルのひとから、「ごめんね。その板だとここは入れないんだよ」と言われた事があります。強い口調ではなかったのですが、速攻ポイント移動しました。
多分、そこのローカルショップと僕がもっていたショップとの仲悪かったのかも知れません。
九州でのローカリズム
九州の僕が住んでいる北西部(長崎、佐賀、福岡)ではサーファー人口も少ないのですがサーフポイントも少なく、太平洋側と比べて波がブレイクする頻度も少ないので大都市圏とは感じが違ってきます。
僕のホームポイントに関してはリーフポイントのほぼ1ピークなので30人位でポイントは結構いっぱいです。なおかつ満潮の前後2時間位しかサーフィンが出来ません。
そのうち80%以上が顔見知りなので、他県からのビジターに関しては「あいつ誰?」という感じになってしまいます。
波が立つ頻度もあまり多くないため、残念ながら、ローカルに知り合いがいない場合、ビジターサーファーはあまり楽しめないかも知れません。
また、ポイントによっては波を当てるのが凄く難しく(当然、波情報サービスのエリア外です)、僕も何度も外しました(泣)サーフエリアの情報もあまりオープンになっていませんし、ビジターが波を当てるのはかなり難しいです。
やはり、そんなポイントで波が上がった際、知らない他県ナンバーの車がいたら、「誰?」と思ってしまうと思います。
福岡県は九州では大都市なので、当然サーファー人口も多く結構ローカル色はないように聞きます。(僕は福岡のエリアでは殆どサーフィンしたことがありません)
但し、福岡のサーファーは長崎、佐賀では評判はあまり良くないようです。理由として、サーファーの数が多いためにサーフィンのルールやマナーを知らないサーファーが多いという事と、サーファー人口が桁違いに多いので彼らが一斉に入ってきたら、ポイントのキャパを超えてしまうからです。
宮崎に関しては、日本でも有数のサーフィンのメッカであり、サーフィンが観光資源となっており基本的にビーチのメジャーポイントはビジターサーファーウェルカムのです。但し、リーフで波が決まった際は、ローカル優先となると聞きました。これは当然ですよね。
楽しくサーフィンするために僕がやっていたこと

僕の場合、関東にいた頃は極力人が少ない場所でのサーフィンを心がけていました。
- ・メジャーポイントには基本入らない
- ・時間帯をずらす
- ・ピークをずらす
メジャーポイントを避ける
一時期はその日の一番波のコンディションが良いポイントに入っていたこともあったのですが、みんな考えることは同じで当然、ポイントにも人が多くなり波の取り合いが苦手な僕は、波に乗る本数は少なくなりました。
そのうち、メジャーポイントではなく、マイナーなポイントで波質が落ちても人が少ない場所で波乗りするようになりました。特に千葉北エリアの九十九里浜周辺は至る所で波がブレイクしており、探せば結構人が少ないポイントがあります。
時間帯をずらす
「早起きは三文の徳」ということわざがあるように、早起きすると良いことはあります。
少しでも人が少ない早朝から海へ入れば、その分波に多く乗れます!
但し、注意して欲しいのは初心者のうちは誰もいない海へは入らないで下さい。何故なら、それが危険なコンディションなのでそこを避けている可能性があるからです。
一度、友達と普段は行かない千葉の銚子方面まで足をのばしました。ポイントチェックすると波があるのに人が少ないポイントを発見し速攻海へ入りました。すると沖のテトラポットに向かって流れが入っており、その流れにハマってしまい、危うく沖のテトラに激突する所でした。僕はなんとか流れから離れられたのですが、友達はテトラにぶつかり、軽いけがとサーフボードががクラシュしてしまいました。
おそらく、そこは流れが入っていて危険なので人が入っていなかったのだと思います。
あと、日曜の午後から海へ行くのもおすすめです。
みんな月曜日に備えて日曜は比較的早く海から帰るので、夕方の時間帯は人が空いてくるので、いつもより多く波に乗ることが出来ます。
ピークをずらす
ある程度、ポイントが広くピーク(波が崩れる場所)が複数点在する場合、メインのピークではない(波質が多少悪い)所で入れば、波争奪合戦の競争率は下がります。
もしくは、ピークにこだわらずミドルセクション(ピークより岸側)やインサイド(波の岸側)にポジション取りして、セットの波を捨てるのも手だと思います。
たまにピークから乗ったサーファーが乗って直ぐにワイプアウト(波から落ちる)した場合等はおこぼれでその波に乗れたりします(笑)
但し、絶対にピークから乗るサーファーのライディングコースの邪魔にならないところにポジション取りして下さい。ライディングに邪魔なポジションにいると、必ず「邪魔だよ!」と言われてしまいます。
サーフィンが上達するためには、波の量?それとも波の質?
今まで、混雑を避けるために「波の質」を落としてでも数多く乗れる「波の量」を多くする方法を説明しました。
でも、レベルによっては「5本のクソ波」に乗るよりも「1本の良い波」に乗ったほうが良い場合もあります。例えば、きれいに崩れる波はサーファーが特に何もしなくても、波が勝手に乗せていってくれたりします。
とはいえ、まず波に乗らなければ始まらないので、初心者のうちはなるべく多くの波に乗った方が良いと思います。
あと、たとえ波に乗れなくても、上級者の波乗りを身近で見られるということはとても勉強になります。
僕のおすすめする方法
- 始めたて、初心者向けのポイント(人が多少多くても)で練習
- コンスタントに立てるようになったら、人が少ないポイントで数多く乗る もしくはホームポイントを決めてそこに通うようにする。
- インサイドまでコンスタントに乗り継ぐ事が出来たら、メジャーポイントにも入ったり、ホームポイントのよりピークから波に乗ってみる
でホームポイントを決めてそこに通うポイントとしては、同じポイントに入り続ける事により、慣れたポインで様々なコンディションを経験でき、より海に対する理解度を深めることが出来るからです。
また、毎週同じポイントに入っていたらなんとなく、ローカルや同じ様にポイントに通うビジターの人がわかってきて、顔もなんとなく覚えてもらえると思います。
おすすめ動画
ローカル問題でも紹介した、市東重明さんのYoutube動画でホームポイントに関して紹介されているものがあります。テクニック的な動画は沢山ありますが、ローカル問題やホームポイントを持つことのメリットを説明している動画はあまりないので、凄くおすすめです。
積極的にローカルコミュニティに参加してみる。
あと、ローカルのコミュニティに参加するという手もあります。
ローカルが通っているサーフショップが大抵サーフポイントの近くにあります。そのサーフポイントは別に近所にいる人達だけが利用している訳ではなく、近所に住んでいなくてもそのサーフポイントを利用しているサーファーであればウェルカムで迎えてくれます。
そこで、サーフボードの相談やウェットスーツをオーダーするのも良いと思います。
それをきっかけにして海で合えば挨拶してくれる様になりますし、ショップを通じて他のお客さんと知り合いになることが出来るかも知れません。
なんちゃってローカル
でも、結構サーフショップは一見さん入りづらいですよね。また、サーフショップに所属するまでは…と思われる方もいるかと思います。
そんな時におすすめなのが、ウェットスーツのメーカーをホームポイントのローカルが着ているメーカーと同じものにするという事です。
ローカルが利用しているサーフショップでは通常ウェットスーツは1社のみ扱っているかと思います。そのため、必然的にそのサーフポイントではそのウェットスーツメーカーのものを着ているサーファーが多くなります。
ウェットスーツは別に他のお店で購入しても良いのですが、ローカルと同じメーカーのウェットを着ているというだけで、一見ローカルの人のように見えたりします(笑)
湘南や千葉など人が多い地域ではローカルの人も全てのローカルの顔を覚えているわけではなく、「あいつ見たことないけど、同じショップのお客さんかもな」と思ってくれるかも知れません。
通常はデザインでウェットスーツメーカーを決めるかと思いますが、ウェットスーツの工場の場所(通常工場があるエリアではそのメーカーのウェットを扱っているケースが多いです)やホームポイント近くのショップで何を扱っているによって、ウェットスーツメーカーを決めるのもありだと思います。
友達でツワモノがいて千葉で着るウェットと湘南で着るウェットの2種類を持っていました。その人は、顔が広く付き合いもあったようですが(笑)
最後に
理不尽だと思うこともあるかもしれませんが、ローカル問題を含めてサーフカルチャーなので、それを受け入れるしかないと思います。
また、ホームポイントを作ることによって、より上達する手助けとなってくれます。
この記事でも紹介した下記のYoutube動画は「ローカル」「ホームポイント」に関してわかり易く説明してあるので、ぜひご覧になって下さい。
ローカル
・【This is Local】サーフィン独特のカルチャー ローカルリスペクトについて
ホームポイント
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